「台所の宝物:捨てる前にもうひと工夫」
冷蔵庫の野菜室でしんなりしたニンジンの葉っぱ、料理後に残った玉ねぎの皮やキャベツの芯。これらは一見ゴミ箱行きと思いがちですが、実はまだ活躍のチャンスがあるんです。台所で「宝物」に変身させるひと手間をご紹介します。
野菜の端切れでおいしい出汁を作る
ニンジンの皮、セロリの葉っぱ、玉ねぎの外皮、キャベツの芯。これらをひとまとめにして冷凍しておきましょう。ある程度の量がたまったら、鍋に入れて水を注ぎ、弱火でコトコト煮込みます。ほんのり甘みと旨みが溶け出したスープは、スープやリゾットのベースに大活躍。塩を少し加えればそのまま野菜スープとしても楽しめます。
エッセイ風に言えば、冷凍庫で眠っていた「端切れたち」がまるで秘密の舞台裏から飛び出して主役を務める瞬間です。「まだ終わっていないんだ!」と声を上げる野菜たちのささやきが聞こえてきませんか?
卵の殻で自然派の肥料を作る
朝食で割った卵の殻。そのまま捨てるのはもったいない!よく洗って乾燥させ、細かく砕いてみてください。庭やプランターの土に混ぜれば、カルシウムたっぷりの天然肥料になります。トマトやバラなど、カルシウムを好む植物が特に喜びます。
砕く作業中は、なんだか自分が昔ながらの薬師になった気分。自然と共存する昔の知恵を取り戻しているような感覚に包まれます。
コーヒーの残りかすで消臭剤に
コーヒー好きなら、毎朝出るコーヒーかすも活用できます。乾燥させたコーヒーかすを小さな布袋や不織布に詰めて靴箱や冷蔵庫に置いてみましょう。ほのかな香りが漂い、消臭効果も抜群です。
「使い終わった」と思われていたコーヒーかすが、また新たな役割を得るこの瞬間。まるで一つの人生が終わって、次の人生をスタートさせるようです。
「捨てる」という発想をほんの少し変えるだけで、キッチンにはまだまだ楽しい驚きが潜んでいます。野菜や卵、コーヒーが「二度目の人生」を生きる姿は、私たちにも「まだできることはある」と教えてくれるかもしれませんね。